感じの良い電話応対のポイント その③
電話の声は、人の心を映し出す
先日あるパン屋さんに電話をしました。私のお気に入りで、夕方になると売り切れてしまっていることが多いので、寄せておいてもらおうと思って。
第一声、「はい、○○(パン屋の名前)、○○でございます。」と、明るい声が聞こえてきました。
「お忙しいところ、すみません。ちょっとお尋ねしたいんですけど‥。」と言うと、急に1オクターブくらい声が低くなり、「はい‥」という返事だけが返ってきました。
「明日、○○のパンを10個いただきたいので、寄せておいてもらうことはできますか。」
「あ、はい。」
「何時に来られますか。」
「夕方になると思います。」
「お名前いいですか。」
「吉原といいます。」と、こんな感じでしょうか。
結局、最後まで「ありがとうございます」の言葉は聞かれませんでした。
「パンのお取り置きですね。もちろんできますよ。ありがとうございます。」と言ってもらえたら、ますますお店も好きになるのになぁ‥と思ったものです。
さわやかな言葉と接客のセンス
でも、こういうことは珍しくなくて、こちらが「お忙しいところ、すみません。ちょっと、お尋ねしたいんですけど‥」と言うと、「何を聞かれるんだろう」と思うのか、急に声が低くなり、印象がガラリと変わることは珍しくありません。
いつも言っていることですが、マニュアルを完璧にこなしても、お客様に心からご満足いただくことはできません。もちろん、プラスαの声掛けや、相手に合わせた臨機応変な応対が出来るようになるには、年齢やある程度の経験も必要ですが、それにしても言葉に対して無頓着と言うか、マニュアルをマスターしたから大丈夫と思っている人やお店が、残念ながら少なくないように思います。
「話す言葉の重要性」と「接客の大切さ」を知る
接客の大切さや話す言葉の重要性を知ることで、お客様にかける言葉も少し変わってくるように思いますし、親切で温かな接客や、やさしい心配りの言葉をかけてもらえるお店には、自然とまたお客様も足を運んでくださるに違いありません。
因みに、こう言えば印象はどうでしょう。
「パンのお取り置きですね。もちろんできますよ。ありがとうございます。
「何をお取りしておきましょうか。○○ですね。いつもありがとうございます。」
「他はよかったですか。」
「では、○○を10個、お取りしておきますね。」
「それでは、明日夕方頃ですね。お待ちしております。お電話ありがとうございました。私○○が承りました。」ではいかがでしょう。
そして、ご来店いただいたときには「また何かありましたら、寄せておきますので、いつでもお電話くださいね。」と言えたら本当に良いですね。
対面接客だけでなく、これからはオンライン接客やライブコマースなども増えていくのだろうと思いますが、こういう時代だからこそ温かな接客や、言葉の選び方、言葉の使い方など、その重要性はさらに増してくるように思います。
これから加速するオンライン社会に向け、言葉のセンス、接客のセンスを磨きましょう。
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