「接遇」ってなに? 一言足すだけで思いやりの言葉になる
「ご不明点がありましたら、事前にお電話でお問い合わせください。」病院やクリニックなどのサイトで、時々こんな文言を目にします。特に問題ないのでは?という方もいらっしゃると思いますが、私は何となく上から目線というか、「ウチのルールに従ってください。」と言われているように感じてしまいます。せめて、「恐れ入りますが」のクッション言葉があれば印象は随分変わるように思いますが。
そもそも「ください」は「くださる」の命令形です。仮に、「話し言葉」として伝えるなら声で温かみや優しさのニュアンスを補えるので上から目線に感じることはないかもしれませんね。
では、例えば「事前に」を「ご遠慮なく」に替える、或いは「ご遠慮なく」という一言を足して、「ご不明点がありましたら、ご遠慮なくお電話でお問い合わせくださいませ。」とするとどうでしょうか。
一言足す(替える)だけで、「遠慮しなくていいので、いつでも聞いてくださいね。」という思いやりの言葉に変わると思いませんか。
また、「今すぐには分からないので、折り返しのお電話でもいいですかね。」も、よく耳にするフレーズですが、これも例えば「すぐにお答えできずにすみません。きちんとお答えしたいので、折り返しのお電話でもよろしいでしょうか。」と言えば、前向きさも、“あなたのため” というニュアンスも伝えることができるのではないでしょうか。同じことを伝えるにしても、ちょっとした心配りや一言で印象はこうも違うのです。
「接遇」とは、プラスαの一言・心配り
接遇の大切さを理解し行動変容につなげるには、ただ「思いやりの言葉をかけましょう。」「お客様や患者様に寄り添った応対をしましょう。」と言うだけでなく、「なぜそうしなければならないのか」はもちろんのこと、このようにして事例や例題を示しながら具体的に伝えることが不可欠と私は考えています。そして、立場を変えると色んなことが見えてくるので、接遇や話し方のスキルを向上させるには、お客様の立場に立って考えること、言われた相手の気持ちを想像することが欠かせないのです。
たった一言で信用を無くさないために
ついでながら、最近よく耳にする「ですかね。」も、私は少々気になっています。「か」「ね」の終助詞が二つ重なるのは好ましくないですし、やはり、お客様や目上の方に対して使うのはいかがなものかと思ってしまいます。こんな時も、「折り返しのお電話でもよろしいでしょうか。」、或いは「お名前いいですかね。」ではなく、「お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」という言葉がスーッと出てくると、やはり凄~く気持ちがいいなと思うのです。
今と、これからを担う人たちに向けて
何となく喋る、何となく使うのではなく、一言の重さや話す言葉の重要性を理解し、自分の言葉遣いや話し方に自信が持てれば、きっとお客様や相手とのコミュニケーションもスムースになって、接客や応対にも自信をもって臨めるようになるのではないでしょうか。そうすれば、きっと仕事も今以上楽しくなるに違いありません。
接遇研修などで私はいつも自分の体験談を多く伝えるようにしていますが、受講くださった方からは「講師の体験談が分かり易かった。」「接遇が何かがようやく理解できた」などのお声をいただき嬉しく思っています。
私がお伝えすることが、今とこれからの社会を担う人たちが一歩を踏み出すきっかけになればとても嬉しく思います。




